立ちと座りの組み合わせが最適?作業姿勢が身体負担や作業パフォーマンスに与える影響についての研究

立ちと座りの組み合わせが最適?作業姿勢が身体負担や作業パフォーマンスに与える影響についての研究_立ち仕事のミカタ_アルケリス株式会社

はじめに

作業姿勢が労働生産性や疲労に与える影響は、職場環境を設計する上で重要な要素です。本記事では、「短時間の単純繰り返し作業における作業姿勢の組み合わせの効果」をテーマとした研究をもとに、立位・座位を交互に組み合わせることで作業効率や負担がどのように変化するのかを解説します。


研究の概要

本研究では、軽作業を行う際の作業姿勢の組み合わせが、作業負担や作業成績に及ぼす影響を調査しました。8名の男性被験者に対し、以下の実験条件で60分間の作業(1桁の掛け算問題を解き、回答をキーボードに入力するタスク)を実施しました。

座位および立位姿勢の作業環境_立ち仕事のミカタ
実験条件姿勢1姿勢2姿勢3
条件1座位30分
立位30分
条件2立位30分座位30分
条件3座位15分立位30分座位15分
条件4立位15分座位30分立位15分
条件5座位60分
条件6立位60分

この実験では、**作業負担(疲労の主観評価・生理的測定)、作業効率(正答率)、副次行動(あくび・首を動かすなどの動作)**を指標として評価しました。


作業姿勢と作業成績の関係

本研究の結果から、以下の点が明らかになりました。

1. 作業姿勢を変更しない場合、作業成績が低下する

座位・立位いずれかを60分間継続する条件(条件5・6)では、誤答率が増加し、作業成績が低下しました。これは、単一の姿勢を長時間続けることで、集中力が低下し、疲労が蓄積されるためと考えられます。

作業姿勢の違いによる作業成績の比較_立ち仕事のミカタ

2. 15分・45分での姿勢変更が最適

座位・立位を組み合わせる場合、**最初の姿勢変更を15分後、2回目の変更を45分後に行う(条件3・4)**ことで、最も作業成績が向上しました。これは、適切なタイミングで姿勢を変更することで、単調感を防ぎ、疲労を軽減できるためと考えられます。

作業後における疲労時間症状しらべ_立ち仕事のミカタ

3. 立位姿勢の継続は負担が大きい

60分間立位を継続した場合(条件6)、特に腰や下肢に疲労が蓄積しやすいことが明らかになりました。疲労により、副次行動(あくび、足を揺らす、体の一部を触るなど)が増加し、集中力の低下につながることが示唆されています。

作業姿勢の違いによる副次行動の出現頻度_立ち仕事のミカタ

作業姿勢の変更がもたらすメリット

作業姿勢を適切に変更することには、以下のメリットがあります。

疲労の軽減

  • 姿勢の変更により、血流が改善され、筋肉の負担が分散される。
  • 特に腰部や下肢への負担が軽減される。

作業成績の向上

  • 長時間の同一姿勢による単調感を軽減し、集中力を維持できる。
  • 15分・45分での姿勢変更が最も作業効率を向上させる。

職場環境の最適化

  • 作業ごとに適切な姿勢を組み合わせることで、従業員の疲労を軽減し、生産性を向上させる。
  • 立位・座位を交互に取り入れることで、長期的な健康リスクを低減できる。

実践的な提言

この研究結果を踏まえ、短時間の単純作業を行う職場で実践すべき対策を提案します。

1. 作業ごとに適切な姿勢を選択する

  • **動的な作業(物の移動・組み立て)**には立位姿勢が適している。
  • **集中力が求められる作業(細かい作業・データ入力)**には座位姿勢が適している。

2. 15分〜30分ごとの姿勢変更を導入する

  • 作業時間60分の中で、15分・45分のタイミングで姿勢を変更することを推奨。
  • 可能であれば、一時的に歩く時間を設けることで、さらに疲労軽減につながる。

3. 作業環境を整備する

  • 作業台や椅子の高さを調整し、立位・座位どちらの姿勢でも快適に作業できるようにする。
  • 抗疲労マットを導入し、立位姿勢の負担を軽減する。

結論

本研究により、座位・立位の適切な組み合わせが、作業成績の向上と疲労軽減に効果的であることが明らかになりました。特に、15分・45分のタイミングで姿勢を変更することが、最も効果的な手法であると示唆されています。

職場での作業効率を最大化し、従業員の健康を守るためにも、適切な作業姿勢の組み合わせを導入することが重要です。

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スタビハーフの負荷軽減効果検証実験1
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