座り過ぎはNG!でも立ち過ぎもNG!?83000人の大規模調査で判明
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はじめに
近年、座りすぎが健康に及ぼす悪影響について多くの研究が行われています。一方で、長時間の立ち仕事も健康リスクを伴う可能性があることが指摘されています。本記事では、最新の研究論文「Device-measured stationary behaviour and cardiovascular and orthostatic circulatory disease incidence」の内容をもとに、座り時間と立ち時間が心血管疾患および起立性循環器疾患に与える影響について解説します。
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研究の概要
本研究では、イギリスのUKバイオバンクデータを用いて、83,013人の成人(平均年齢61.3歳)を対象に座り時間・立ち時間と心血管疾患・起立性循環器疾患のリスクとの関連を調査しました。加速度計を用いて測定された座位時間・立位時間のデータを解析し、疾患の発症リスクとの関係を明らかにしました。
研究の方法
- 対象者: UKバイオバンクに登録された83,013人の成人
- 測定手法: 加速度計による日常の座位・立位時間の測定
- 疾患の定義:
- 主要な心血管疾患(CVD): 冠動脈疾患、心不全、脳卒中
- 起立性循環器疾患: 起立性低血圧、静脈瘤、慢性静脈不全、静脈潰瘍
- 解析方法: コックス比例ハザード回帰モデルを用いたリスク解析
研究結果のポイント
座り時間が長いほど健康リスクが上昇(図1・図2)
- 座位時間が10時間を超えると心血管疾患リスクが15%増加(図2)。
- 起立性循環器疾患リスクも26%増加(図1)。
- 12時間以上座ると、リスク上昇が顕著に。
立ち時間の増加が必ずしも健康リスクを下げるとは限らない(図1)
- 1日2時間以上立っていると、起立性循環器疾患のリスクが増加。
- 心血管疾患リスクとの関連は見られなかった。
座り時間と立ち時間のバランスが重要(図3・図4)
- 長時間の座位も立位もリスクを伴う。
- 適度な運動(歩行・ストレッチ)が健康維持に有効。
図表の解説
図1: 座位・立位・静止時間と起立性循環器疾患発生率の調整済み絶対リスク
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- 座位時間が10時間を超えるとリスクが急上昇し、1時間ごとに26%リスク増加。
- 立位時間が2時間を超えるとリスク増加(30分ごとに11%増加)。
- 座位時間が9時間以下の場合、リスク低減の傾向がみられる。
図2: 座位・立位・静止時間と主要な心血管疾患(CVD)発生率の調整済み絶対リスク
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- 座位時間が10時間を超えると心血管疾患リスクが15%増加。
- 12時間以上の静止時間もリスク上昇(1時間ごとに13%増加)。
- 立位時間の増加はCVDリスクと関連なし。
図3: 座位・立位・静止時間と起立性循環器疾患の発生率の線形回帰モデル
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- 座位時間が10時間を超えると、リスクが指数関数的に増加。
- 立位時間が2時間以上の場合、リスクが増加傾向。
- 10時間未満の座位時間ではリスク減少傾向がみられる。
図4: 座位・立位・静止時間と主要な心血管疾患(CVD)の発生率の線形回帰モデル
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- 座位時間が10時間を超えると心血管疾患リスクが増加。
- 立位時間の増加はリスクと関連しない。
- 12時間以上の静止時間もCVDリスク増加の要因。
立ち仕事・座り仕事の健康対策
1. 長時間の座位・立位を避ける
- 1時間ごとに少なくとも5分は歩く。
- 座位と立位のバランスを取りながら作業する。
2. 適度な運動を取り入れる
- デスクワーク中に軽いストレッチを行う。
- 可能であれば、作業中に足踏みやスクワットを行う。
- 歩きながらのミーティングを活用する。
3. 適切な環境整備
- スタンディングデスクを導入し、適宜座ることができるようにする。
- 作業エリアに休憩スペースを設け、歩行を促す。
まとめ
本研究では、長時間の座位と立位が健康リスクを高めることが示されました。特に、座位時間が10時間を超えると心血管疾患のリスクが上昇し、立位時間が2時間を超えると起立性循環器疾患のリスクが増加する可能性があります。
したがって、座りすぎを減らしつつ、適度に体を動かすことが健康維持には不可欠です。立ち仕事や座り仕事に従事する方々は、バランスの取れた働き方を意識し、定期的に動く習慣を取り入れることが推奨されます。
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実証実験において、スタビハーフによる体重分散効果が示されました。
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