欧州安全衛生機関が調査 心理社会的要因と職業性筋骨格系疾患(MSD)の予防 職場環境の見直しにむけたガイドライン

1. はじめに
仕事中の腰痛や肩こり、関節の痛みなどの筋骨格系疾患(MSD)は、多くの労働者にとって大きな課題です。特に長時間の立ち仕事や反復的な作業を伴う職種では、これらの疾患が発生しやすくなります。しかし、MSDの原因は単に肉体的な負担だけではありません。職場における心理社会的要因(Psychosocial factors)も、MSDの発症や慢性化に大きく影響を及ぼすことが分かっています。
本記事では、EU-OSHA(欧州安全衛生機関)が発表したレポート「Psychosocial factors in the prevention of work-related musculoskeletal disorders(MSDs)」の内容をもとに、MSD予防のための心理社会的要因の重要性と、その対策について詳しく解説します。
2. MSDと心理社会的要因の関係
2-1. 心理社会的要因とは?
心理社会的要因とは、労働環境や人間関係、仕事の負担などがメンタルヘルスに及ぼす影響のことを指します。MSDの発症や悪化には、以下のような心理社会的要因が関連していることが報告されています。
- 過度な業務負担:長時間労働やタイトな納期によるストレス
- 役割の不明確さ:業務範囲や責任の曖昧さ
- 意思決定への関与不足:仕事の進め方に対するコントロールの欠如
- 組織変更の不適切な管理:急激な変化に対するサポート不足
- 雇用の不安定さ:派遣や契約社員などの不安定な雇用形態
- 管理者や同僚からの支援不足
- 職場でのハラスメントや暴力
- 低い仕事満足度
これらの要因が長期化すると、ストレスによる筋緊張の増加や炎症反応の促進を引き起こし、MSDのリスクを高めることが示唆されています。
2-2. MSD発症のメカニズム
ストレスがMSDに影響を与えるメカニズムとして、以下の要因が考えられます。
- 筋緊張の増加:長時間のストレスにより、肩や首、背中の筋肉が過度に緊張し、疲労が蓄積する。
- 組織の修復能力の低下:ストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が増加し、筋肉や関節の修復が遅れる。
- 痛覚の増幅:ストレスが強いと、脳が痛みを過敏に感じるようになり、慢性的な痛みに移行しやすい。
- 不適切な姿勢や作業習慣の形成:心理的なプレッシャーが高まると、休憩を取らずに無理な姿勢で作業を続けることが増える。
3. MSD予防のための心理社会的要因への対策
MSDの予防には、職場における心理社会的要因の管理が不可欠です。以下に、具体的な対策を紹介します。
3-1. リスクアセスメントの実施
職場のリスク評価では、身体的な要因と心理社会的要因の両方を考慮する必要があります。特に、従業員のストレスレベルや職場環境の問題を把握し、適切な改善策を講じることが重要です。
3-2. 参加型アプローチの導入
従業員を巻き込んだリスク評価や改善策の策定を行うことで、働く人々のニーズに合った環境改善が可能になります。具体的には、
- 定期的な意見交換会の実施
- アンケート調査による職場環境の把握
- 従業員の意思決定への積極的な参加促進
といった方法が有効です。
3-3. 組織のサポート体制の強化
管理者や同僚のサポートは、MSDのリスクを低減する重要な要素です。具体的な施策として、
- 管理職向けのメンタルヘルストレーニング
- 従業員同士のサポートネットワークの構築
- 職場内の相談窓口の設置
などが考えられます。
3-4. 柔軟な働き方の導入
テレワークやフレックスタイム制度を導入することで、従業員のワークライフバランスを向上させ、心理社会的ストレスを軽減できます。また、
- 休憩時間の確保
- 業務負担の公平な分配
といった取り組みも重要です。
4. まとめ
職場におけるMSDの予防には、身体的なリスク要因だけでなく、心理社会的要因の管理が不可欠です。過度なストレスや支援不足は、MSDの発症リスクを高めるだけでなく、職場の生産性低下や従業員の離職率増加にもつながります。
企業が積極的に心理社会的要因の改善に取り組むことで、従業員の健康を守るだけでなく、持続可能な働き方の実現にも貢献できます。本記事を参考に、職場の環境改善に向けた第一歩を踏み出しましょう。
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