前傾姿勢による腰痛を防ぐ人間工学的対策とは? 補助器具の効果を検証

1. はじめに
腰痛は、依然として労働者の健康問題の大きな割合を占めており、特に 前傾姿勢を伴う作業 において発症リスクが高まります。本記事では、前傾姿勢による腰部の負担を軽減する補助器具 の効果を検証した研究を基に、その対策を詳しく解説します。
2. 前傾姿勢が引き起こす腰痛リスク
腰痛の主な原因には、以下のようなものがあります。
- 不自然な姿勢(前傾・前屈・ひねり・中腰)
- 重量物の持ち上げ
- 一定姿勢の保持
- 瞬間的な負荷
製造業や接客業などの現場では、前傾姿勢を長時間続ける作業が多く見られ、これが腰部の筋肉に過度の緊張をもたらし、慢性的な腰痛の原因となります。
3. 従来の対策とその課題
従来の腰痛対策には、定期的な休憩や姿勢の変更 が推奨されてきました。しかし、これらの方法では 作業負荷そのものを軽減することができず、十分な予防効果を得るのが難しいという課題がありました。
そこで、補助器具を用いることで 腰部にかかる負担を軽減する という新しいアプローチが注目されています。
4. 作業台で身体を支える効果とは?
作業現場では、前傾姿勢をとる際に 作業台を利用して身体を支える ことがあります。これにより、前方向の力を腹部で支え、腰部の負担が軽減されると考えられています。
しかし、図1(作業台で身体を支えた場合と支えなかった場合の筋電図)によると、以下のような結果が得られました。

図1:作業台で身体を支えた場合と支えなかった場合の筋電図
📊 結果
- 筋電図(筋負担の指標)では、作業台で支えた姿勢と支えない姿勢の間に有意差なし。
- 主観的な疲労感の調査でも、2つの姿勢に違いは認められなかった。
つまり、作業台だけでは十分に腰への負担を軽減できないことが示されました。
5. 補助器具の効果とは?
「職場における腰痛予防対策指針」では、作業の自動化や機械化が困難な場合、適切な補助器具を導入することが望ましい とされています。
研究では、円筒型・四角小型・四角大型の3種類の補助器具 を作成し、腰部負担の軽減効果を比較しました。

図2:補助器具の構造
🔧 設計
- 鉄板にL字鋼を立て、取り外し可能な円柱状の鉄棒 を設置。
- 鉄棒には、身体を支えるための クッション を装着。

図3:補助器具なし・使用位置の違いによる作業姿勢
- 脛(すね)で支える場合
- 太もも前側で支える場合
- 補助器具なし
6. 補助器具の使用による負担軽減の比較


図4(補助器具なしと3種類の補助器具を使用した場合の作業姿勢)と 図5(筋電図データ)では、以下の結果が得られました。
📊 結果
- 補助器具を使用した3つの姿勢では、補助器具なしの姿勢より右側の腰部・ふくらはぎの筋電位が低下。
- 背中や腰の疲労感も低減。
- 特に 円筒型補助器具 を使用した場合、左腰部の筋電位が低く、疲労感の軽減効果も大きい。
💡 結論
- 補助器具を使用すると腰部への負担を軽減できる。
- 円筒型の補助器具が最も効果的。
7. まとめ:効果的な腰痛対策とは?
本研究では、前傾姿勢による腰痛リスクを軽減するための補助器具の有効性 が示されました。
✅ 作業台だけでは腰への負担軽減が不十分
✅ 補助器具を活用することで筋負担を低減
✅ 特に円筒型補助器具が最も効果的
💡 職場での導入のポイント
- 作業内容に応じた適切な補助器具を選定する
- 使用環境を考慮し、邪魔にならないデザインを採用
- 従業員に正しい使い方を指導する
8. あなたの職場では腰痛対策は万全ですか?
腰痛を防ぐためには、適切な補助器具の活用と職場環境の整備 が重要です。もしあなたの職場で前傾姿勢を伴う作業が多い場合は、補助器具の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
➡ 腰痛予防のために、あなたの職場に最適な対策を見直してみましょう!
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