スーパーのレジ係はなぜツラいのか?モーションキャプチャーを用いた身体的負担に関する研究

1. はじめに
スーパーマーケットのレジ係は、長時間の立ち仕事や繰り返しの動作により、筋骨格系障害(WMSD: Work-Related Musculoskeletal Disorders)を発症しやすい職業の一つです。特に、商品スキャンやレジ作業時の不自然な姿勢が肩や腰に負担をかけることが問題視されています。本記事では、ポルトガルで実施された最新の研究をもとに、レジ係の身体的負担とその軽減策について解説します。

2. 研究概要
本研究は、ポルトガル北部のスーパーマーケットに勤務する5名の女性レジ係を対象に、筋骨格系の負担を分析しました。対象者の年齢は19歳から61歳までで、異なる身長や利き手の特性を持つ労働者が含まれています。研究では、XSens MVNモーションキャプチャーシステムを使用し、全身の運動データを取得しました。さらに、Rapid Upper Limb Assessment (RULA) および Rapid Entire Body Assessment (REBA) の評価方法を用いて、異なる作業条件下での身体的負担を定量化しました。


実験では、19種類のマイクロタスク(例:商品スキャン、レシート紙の交換、現金処理、清掃作業など)を実施し、レジカウンターのデザインの違いが負担に与える影響を分析しました。

3. レジ係の身体的負担の要因

3.1 繰り返しの動作
研究結果では、レジ係の仕事は腕や手首に大きな負担をかけることが確認されました。特に、スキャナーを使用する際の手首の回転や腕の持ち上げ動作が頻繁に発生し、RULAスコアが7(即時改善が必要なレベル)に達することが判明しました。
3.2 不自然な姿勢
レジカウンターの高さや商品の位置によっては、作業中に前傾姿勢やねじれた姿勢をとることが多く、腰や首に負担がかかります。特にレシート紙の交換作業はREBAスコアが最大11に達し、高い負担があることが示されました。
3.3 重い商品の取り扱い
重さ5kg以上の商品(例:飲料ボトルのパックやペットフード)を持ち上げる際に、腰や肩に大きな負担がかかることが確認されました。特に、立位と座位の違いによる負担差は見られず、どちらの姿勢でも高いRULAスコアが記録されました。
4. 身体的負担を軽減するための対策
4.1 作業環境の改善
- レジカウンターの高さ調整:高さ調節が可能なカウンターを設置し、作業者の身長に合わせた適切な姿勢を維持できるようにする。
- スキャナーの位置変更:スキャナーを適切な位置に配置し、手首の負担を最小限に抑える。
- 座位と立位の切り替え:適切な椅子を導入し、作業中の姿勢を自由に切り替えられるようにする。
4.2 休憩とストレッチの導入
- 定期的な休憩:一定時間ごとに短時間の休憩を取り、筋肉の疲労を軽減する。
- ストレッチ体操の実施:肩や腰の負担を軽減するストレッチを日常的に行う。
4.3 負担を軽減するツールの導入
- エルゴノミクス対応のスキャナー:軽量で使いやすいスキャナーを導入し、腕や手首の負担を軽減。
- 半座位対応のサポートチェア:長時間の立ち仕事による足の疲労を軽減する。
- エルゴノミクスマット:床にクッション性の高いマットを敷くことで、長時間の立ち作業による足の負担を軽減。
5. まとめ
本研究は、スーパーマーケットのレジ係が日常的に直面する筋骨格系負担を定量的に分析し、その軽減策を明らかにしました。特に、商品スキャン作業が肩や手首に与える影響が大きく、作業環境の改善が急務であることが示されました。
レジカウンターのデザイン改善や適切な休憩、エルゴノミクスツールの活用により、WMSDのリスクを大幅に低減できます。特に、カウンターの高さ調整、スキャナー位置の最適化、適切な休憩とストレッチが重要な要素として挙げられます。
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