長時間立ち仕事の疲労対策に疲労軽減マット!その効果を科学的に検証
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はじめに
長時間の立ち仕事は、多くの職業で避けられないものです。医療従事者、工場労働者、教師、販売員など、多くの人々が長時間の立位を求められる環境で働いています。しかし、長時間の立位は足、膝、腰への負担を増やし、疲労や痛みを引き起こす原因になります。そのため、職場環境の改善策として 「疲労軽減マット(Anti-Fatigue Mats)」 の使用が注目されています。
本記事では、Wiggermann & Keyserling(2013)の研究をもとに、抗疲労マットが立ち仕事に与える影響について科学的に解説します。
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疲労軽減マットとは?
抗疲労マットとは、長時間の立位による疲労や不快感を軽減するために設計された床材です。一般的に、以下のような特徴を持ちます。
- 柔軟性とクッション性がある
- 足裏の圧力を分散し、筋肉の緊張を和らげる
- 衝撃を吸収し、関節への負担を軽減する
しかし、これらのマットが本当に効果的なのか、どの程度の違いがあるのかは、十分な研究が行われていませんでした。
研究概要
本研究では、以下の2つの主要な目的を設定しました。
- 疲労軽減マットが不快感(discomfort)に与える影響を評価する
- 行動的な変化(体重移動の頻度など)との関連を調査する
研究方法
- 参加者: 10名(男女各5名)
- 実験環境:
- 4種類の市販抗疲労マット(異なる材質・硬さ)
- コンクリート上のリノリウム(対照群)
- 実験内容:
- 各参加者は、異なる床材の上で4時間立ち続ける
- 55分ごとに不快感を評価(足、膝、腰などの部位ごと)
- 靴の中の圧力センサーで体重移動(weight-shifting)の頻度を測定
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研究結果
1. 疲労軽減マットの効果
- 4時間の立位後、3種類の疲労軽減マットは、リノリウムの床(対照群)に比べて不快感を低減することが確認されました。
- ただし、マット同士で有意な差はなかったため、「最も効果的なマット」を特定することはできませんでした。
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結果として、抗疲労マット(A, B, C)では、硬い床(コンクリート上のリノリウム)よりも不快感が有意に低いことが示されています。しかし、マット間での有意差は確認されませんでした。
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結果として、最も柔らかいマット(A)と最も硬いマット(D)が、リノリウム床よりも有意に不快感を低減することが示されました。
2. 体重移動(Weight-Shifting)
- 体重移動の頻度は、床の硬さと相関があり、硬い床では体重移動が増加しました(図1)。
- 体重移動の増加は、足・腰の不快感の増加とも関連があることが分かりました。
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
3. 不快感の評価
- 足・ふくらはぎ・腰の不快感が、床の種類によって有意に変化しました(図2)。
- ただし、太ももや全身の不快感には有意な差が見られなかった。
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結果として、最も柔らかいマット(A)のみが、リノリウム床よりも有意に不快感を低減することが確認されました。

結果として、最も硬いマット(D)では体重移動の頻度が最も高く、最も柔らかいマット(A, B)では少なかったことがわかります。これは、硬い床では不快感が増し、無意識のうちに体重を頻繁に移動させることを示唆しています。
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結果として、足の不快感スコアが高いほど、体重移動の頻度も増加することがわかりました。
考察
疲労軽減マットは効果的だが、個人差が大きい
研究では、抗疲労マットが不快感を軽減する効果があることが確認されました。しかし、どのマットが最も快適かは明確ではなく、個人の感覚に依存する可能性が示唆されました。
行動指標(体重移動)の重要性
不快感の評価には個人差があるため、体重移動の頻度がより客観的な評価指標として有効であることが示されました。硬い床では無意識に体重移動が増え、不快感が強くなる可能性があります。
職場への応用
- 最適な疲労軽減マットの選定には、素材の柔軟性だけでなく、個々の作業者の感覚や好みを考慮する必要がある。
- 長時間の立位は疲労を蓄積させるため、定期的な休憩や座位作業を取り入れることが重要。
まとめ
- 疲労軽減マットは長時間の立位による不快感を軽減できる。
- マットの種類による差は統計的に明確ではないが、硬い床に比べると明らかに快適。
- 体重移動の頻度が不快感と関連し、行動指標として有効。
- 職場環境改善には、マットの導入に加え、座位作業の導入や休憩の確保が不可欠。
職場改善のための提案
✅ 疲労軽減マットの導入:特に硬い床での作業には必須
✅ 適切なマット選び:個人の快適性に配慮し、テスト導入を検討
✅ 立ち仕事の負担軽減策:座位作業やストレッチ、適切な休憩を推奨
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立ち姿勢の負担軽減
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製品写真(スタビハーフ)
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身体負荷を軽減する
立ち姿勢では体重負荷が100%足裏に集中して、足や腰に負担がかかります。スタビハーフは体重を分散して支えるため、足裏への負荷を最大33%軽減することができます。
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負荷軽減の検証データ
実証実験において、スタビハーフによる体重分散効果が示されました。
立ち姿勢とスタビハーフ使用時における体にかかる荷重を、圧力分布センサを用いて計測したところ、スタビハーフの使用により足裏の荷重が最大30%程度軽減することが明らかになりました。
スネ部のロールクッションが体重の一部を優しく支えることで、足裏の荷重が軽減していることがデータから示されました。
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