スーパーのレジ係の身体負担 86.6%が体に痛みを感じている研究

スーパーのレジ係身体負担 なんと86.6%が体に痛みを感じているという研究 立ち仕事のミカタ
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はじめに

スーパーマーケットのレジ係の仕事は、一見すると身体的負担が少ないように思われるかもしれません。しかし、長時間の座位作業や反復動作により、腰痛や首の痛み などの筋骨格系の症状を引き起こすリスクがあります。本記事では、エストニアのタルトゥ大学の研究チームが発表した論文 “Musculoskeletal symptoms, and perceived fatigue and work characteristics in supermarket cashiers” の内容を紹介し、スーパーマーケットのレジ係が直面する健康課題について解説します。

研究方法

この研究は、スーパーマーケットのレジ係における筋骨格系の症状の発生率と、それに関連する疲労や仕事の特性 を調査することを目的としています。

研究対象は67名の女性レジ係(平均年齢33.5歳) で、彼女たちは日平均 9.7時間 の勤務をしていました。以下の方法でデータが収集されました:

  • 質問紙調査(Nordic Questionnaire)
    • 過去6ヶ月間 および 過去7日間 の筋骨格系の症状(痛みや違和感)
    • 仕事に関する心理的要因(疲労感、単調さ、忙しさ)
    • 身体的な活動習慣

研究結果

1. レジ係の86.6%が筋骨格系の痛みを経験

  • 過去6ヶ月間 において、86.6% のレジ係が少なくとも1箇所の部位で痛みや不快感を感じた。
  • 過去7日間 でも 71.7% の人が何らかの痛みを経験。

2. 痛みの発生部位

最も痛みを感じた部位は次の通り:

痛みの発生部位過去6ヶ月 (%)過去7日 (%)
67.244.8
53.740.3
手首47.840.3
43.328.4
38.825.4
19.412.0

特に、腰(67.2%)と首(53.7%) の痛みの発生率が高かった。

スーパーのレジ係における最近6ヵ月および7日間の身体部位別の筋骨格系障害の有病率
Source:Musculoskeletal symptoms, and perceived fatigue and work characteristics in supermarket cashiers

3. 疲労感の実態

  • 身体的疲労 を感じるレジ係は 89.6%
  • 精神的疲労 を感じるレジ係は 76.1%
  • 仕事が単調 と感じるレジ係は 62.7%
  • 仕事が忙しい(急かされる)と感じる レジ係は 80.9%

4. 痛みと仕事の特性の関連性

  • 腰痛は 首・肩・膝の痛みと相関 あり(例: 腰痛と膝痛の相関係数 r = 0.44, p < 0.001)。
  • しかし、疲労や単調さとの直接的な相関はなし

5. レクリエーション活動の効果

  • レジ係の約 49.3% は仕事以外で何らかの運動(ジョギングやエアロビクス)を行っていた。
  • 研究者は、適度な運動が筋骨格系の症状の予防につながる可能性 を示唆している。

考察

この研究の結果から、スーパーマーケットのレジ係は、仕事中の姿勢や単調な作業の影響で、特に腰や首に負担がかかりやすい ことが明らかになりました。さらに、精神的疲労の割合も高く、労働環境の改善が求められます。

提案される対策

  1. 定期的なストレッチや休憩の導入
  2. 姿勢をサポートするエルゴノミックチェアの使用
  3. 作業動作のローテーション(単調な作業の軽減)
  4. 仕事外での適度な運動(ジョギングやストレッチ)

まとめ

スーパーマーケットのレジ係は、長時間の座位作業と反復動作によって筋骨格系の問題を抱えるリスクが高いことがわかりました。特に腰痛や首の痛みが最も多く報告され、身体的・精神的な疲労も大きな課題 です。今後、職場環境の改善や適切なエクササイズの導入が、労働者の健康維持に重要な役割を果たすでしょう。

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